小島毅「朱子学と陽明学」ー明治維新の原動力
前回のエントリーに続き、「幕末・明治維新」関連の記事。
例えば、西郷隆盛。
そんな西郷が掲げた思想が、「敬天愛人」。
そういえば、西郷隆盛より以前に「敬天愛人」を使った中村正直(未だに読み続けられる名著サミュエル・スマイルズ「Self Help(自助論)」を翻訳・出版し、福沢諭吉「学問のすすめ」と並ぶベストセラーに)は、儒者であると同時にキリスト者でもあった。
朱子学の日本への伝来
臨済宗などの禅僧が中国に留学した際に、当時の流行の思想として持ち帰ってきたとされる。
また、東京ドームの最寄り駅である後楽園駅の名前の由来となった「後楽園」は、もともと朱子学が盛んだった水戸の徳川光圀が命名したものであり、「先憂後楽(天下の憂いに先立ちて憂え、天下の楽しみに後れて楽しむ、という宋時代の士大夫の理想)」という言葉からきている。
おわりに
なお、小島毅「朱子学と陽明学」は、朱子学と日本というテーマだけでなく、朱子学の中国における展開、朱子学と陽明学の違い、理気二元論含む朱子学の理論など、網羅的に解説しており、広いテーマのわりに大変読みやすい内容となっているので、この分野について調べたい方には、おすすめです。